里に咲く花の図鑑
雑草の花編(画像をクリックすると拡大します。)
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No.30 チョウジタデ(2005/10/2掲載)
チョウジタデの花
(2005/09/23撮影)
チョウジタデの生育
(2005/09/19撮影)
 水田の雑草として知られますが、ドブなどにも結構生えているのを見かける草です。なかなか生命力があるようで、先に出た同じアカバナ科チョウジタデ属のヒレタゴボウと違って、「害草」というイメージを持たれています。
 ヒレタゴボウとは葉の形が長い楕円形で葉脈が目立つところが似ているのかな。まあ、そこがアカバナ科の特徴でもあるようですが。
 花の大きさは8mmと言うところでしょうか、8月から咲いているところを見かけました。10月まで開花が続いています。花びらの数はアカバナ科なので4枚なんですが・・・ どう見ても5枚ありますねw ですが、右下のさく果の左上のやつの先っぽでは、萼が4つなので、普通は4枚のようです。たまたま撮った花は全部5枚でした。
 花の後は実ができますが、マツヨイグサとかと同じ様に果実が細長くにゅーっと伸びてきます。赤茶色になるので、尺取り虫がいっぱい付いているようでキモチワルイ。長さは2〜3cmというところです。
 草の形としては、主枝がまっすぐに伸びますが、枝が結構出るようです。ドブなどの富栄養化した場所では、分枝だらけになっていたりします。
チョウジタデの草姿
(2005/09/19撮影)
チョウジタデの果実
(2005/09/23撮影)
No.29 ホソバヒメミソハギ(2005/09/27掲載)

(2005/09/23撮影)

(2005/09/23撮影)
 もともと在来種でヒメミソハギというのがあって、この植物(帰化植物です)は近縁で葉が細いから、という事だそうです。最近、勢力を拡大しているらしく、水田のヘリでちょこちょこ見かけます。
 花は6mmほどで、きれいな紫紅色。朝は花弁が縦に閉じていて、昼過ぎには花弁が散ってしまっています。なかなかに花の命は短いようです。花は各節に5〜10個くらい付いていて、まばらに咲いていくので8月から9月にかけて長く咲き続けるようです。
 植物自体はとても特徴があるので、見分けるのは簡単。茎は4角形、葉は右下の写真の様にきれいな十字対生になっています。あとは、葉の付け根が広がっていて、茎を半分取り囲むように付いていることです。
 久しぶりに出会ったピンク系の花なので、個人的にはお気に入りですが、身の回りの草は帰化植物だらけですね^^;

(2005/09/23撮影)

(2005/09/23撮影)
No.28 オオニシキソウ(2005/09/21掲載)
オオニシキソウの花
(2005/08/14撮影)
オオニシキソウの草姿
(2005/08/14撮影)
 オオニシキソウは道端とか、ちょっと荒れ出した土地に生えることが多いです。6月くらいまでは目立ちませんが、7月にはいると茎がにゅーっと伸び出して8、9月に先端に花を咲かせます。茎は枝分かれが多く、ちょっと傾いていて太陽光線がよく当たるようになっています。
 花はもの凄くちっちゃくて、3mmくらいかな。写真の画素を一番上げてとったけれど、ぼけてますね。花弁が左右対称で、大小があるのでチョウチョみたいに見えてかわいいです。
No.27 ヒレタゴボウ(2005/09/20掲載)
ヒレタゴボウ花
(2005/09/11撮影)
草姿
(2005/09/11撮影)
 黄色の4弁花というのは、アブラナ科くらいしか知らなかったので、同定するのに調べ方すら分からない状態でした。なので、詳しい人に教えてもらいましたが、私の図鑑には名前だけしか載っていなかったので、ぺらぺらめくっても分からないはずです。結局マツヨイグサと同じアカバナ科の植物でした。何となく、葉っぱは似てますよね。
 アカバナ科の中ではチョウジタデ属に属していて、水田雑草のようです。チョウジタデとは水田雑草と言うところしか似ていないような・・・ 群生はしませんが、ぽつぽつと単体で生育しています。
 花は4弁で鮮やかな山吹色。花弁にはっきりとした脈があるのが特徴です。茎は葉に続くヒレ状の薄い出っ張りがあるのが特徴です。ヒレがついている植物は少ないこともあって、「ヒレアザミ」のように、名前についていることがあります。
 葉は大きいものだと13cmほどありますが、幅は3cm程度と細長い。葉の大きくなるのは根元からのようで、茎の中段より上の葉っぱは柳のように細いものばかりです。
 撮影したときには下の方の枝の根元近くでしか咲いていなかったので、花期はこれからのようです。
茎のヒレ
(2005/09/11撮影)
草の先
(2005/09/11撮影)
No.26 ヒガンバナ(2005/09/19掲載)

(2005/09/19撮影)

(2005/09/19撮影)
 彼岸が近くなったので、写真を撮りに田園地帯へ行ってきました。でも、ヒガンバナってすごいですよね。お盆用の小菊なんかは、5月に暖かかったら早くに花芽ができてしまうし、その後の温度などでも咲く時期が左右されてしまって、ひどいときには7月中に咲いてしまったりするのですが、ヒガンバナはいつもお彼岸の時期に咲きますもの。
 岡山県北はこの時期には稲刈りが7割くらいされてしまっていますが、その畦に咲いているのは、風情があってとっても好きです。
 この草の生育期は秋から初夏なので、花は何もないところからいきなり、にゅ〜っと出てくる事になります。花が終わったら葉っぱも出てきます。花びらは5枚くらい、一つの花茎に5〜7つの花が横向きに咲きます。中には花びらの縁が白っぽいのもあるようです。
 ヒガンバナは昔は飢饉の時の非常食でもあったようで、その名残で畦に多いのだと聞いたことがあります。ただ、鱗茎には有毒成分が含まれているので、潰したものからデンプンを抽出して、それを7回は水にさらさないと食べられないのだそうです。飢饉の時にそんなに水があったのか? ちょっと疑問です。

(2005/09/19撮影)

(2005/09/19撮影)
No.25 ザクロソウ(2005/09/8掲載)
ザクロソウの花
(2005/09/08撮影)
ザクロソウの草姿
(2005/09/08撮影)
 クルマバザクロソウの近縁種で、花の形、大きさはほぼ一緒です。咲いているところも同じような感じで、すぐ近くに群落がありました。
 違う点は、枝が立っている点と、花が枝先にしか付かない所でしょうか。こちらは枝先に長い花柄があって、たくさんの花を付けるので、目線からでも花が結構目立ちます。少しずつしか咲かないので、蕾の方が目立っているかも知れませんが。
 葉も「クルマバ」ではなく、1つの節に3枚程度しか付いていません。
No.24 クルマバザクロソウ(2005/09/8掲載)
クルマバザクロソウの花
(2005/08/14撮影)
クルマバザクロソウ草姿
(2005/08/14撮影)
 ぱっと見、各節に葉っぱが車輪状に付いているので、ヤエムグラとかの仲間かと思いましたが、ザクロソウ科の植物だそうです。果実が開いたら、ちょっとザクロっぽく見えるからかな。
 この植物はあんまり見ないんですが、近くの公園では、歩道のブロックの隙間にたくさん生えていました。花は白色で、大きさも5mmくらいはありますが、枝の各節に花が付くことと、花柄が1cm程度しかないので、葉に紛れてしまってあまり目立ちません。全体的に良く枝分かれし、地面に付きはしないけれども、上ではなく横に広がっていく植物のようです。ちなみに、開花期は7月〜9月くらいです。今日も同じ公園に行って来ましたが、まだ蕾が結構ありました。
 葉は1つの節に4〜7枚が輪生しますが、ムグラ類と違って、全部が同じ大きさにはならないようです。また、葉は個体によって差が大きく、写真のように披針形の細い物から、丸みをおびたものまでありますし、テカリがあるものと、無いものもありました。
 何だか、白い花はピントが合ってくれないようで(オートなので;;)、ちょっとボケた写真になってしまいました。
輪生葉
(2005/08/14撮影)
ざくろのような果実
(2005/08/14撮影)
No.23 アメリカネナシカズラ(2005/08/26掲載)
アメリカネナシカズラの花
(2005/08/11撮影)
糸のような草姿
(2005/07/16撮影)
 この植物を初めて見たときは、凄い衝撃でした。「何これ?」という感じでした。名前の通り土に入るような根はなく、葉も退化してしまっているので、黄色い茎(ツル)だけの植物です。なので、右上の写真のように、黄色い凧糸が捨てられているように見えます。
 在来種にはネナシカズラがありますが、こちらはツルに紫色の斑点があるそうなので、判別が可能らしいですが(見たことはないです)、ほとんど無いようで、帰化植物のアメリカネナシカズラの方が圧倒的に多いようです。
 アメリカネナシカズラは種子から発芽するときに根を出しますが、茎が他の植物にひっつくと、その部分の茎に吸盤付きの寄生根(中段右の写真)ができ、そこから養分を吸うようになります。そうなると根は枯れてしまい、「根無し葛」になります。こうして、ツルを伸ばしては他の植物に寄生して・・・ を繰り返して成長するため、自分で養分を作る必要が無くなって、葉緑素が無くなり、無駄な葉も退化してしまって茎だけになっています。
 寄生できる植物の範囲は広いようで、ここではササ、ヨモギ、セイタカアワダチソウなどに巻き付いていました。
 花は1カ所に5〜10個程度まとまって咲きます。花の大きさは3〜4mmと小さいので、私のカメラではうまくピントが合いませんでした;; 人?の養分で生きている割には大きな種を多数作ります。遠慮ってものがないのか・・・ といっても、宿主を殺してしまうことは無いので、クズなどの蔓植物のように質(タチ)は悪くないです。実がなると下段右の様になり、何だか汚らしくなります。
つる先の様子
(2005/07/16撮影)
寄生根
(2005/07/16撮影)
果実
(2005/08/11撮影)
花後の草姿
(2005/08/11撮影)
No.22 イチビ(2005/08/21掲載)
イチビの花
(2005/08/14撮影)
イチビの幼果
(2005/08/14撮影)
 イチビはインド辺りが原産の帰化植物です。渡来は古く、10世紀の書物にも繊維を採るように栽培されていた事が記されているそうです。今はもちろん栽培されていませんが、港の近くでは輸入に混じって種が入ってくるようで、多く見られます。
 この植物はここ何年かで田畑で多く見られるようになった雑草です。生育が旺盛なため、野菜などの邪魔をする上、繁殖力が凄いので、駆逐しにくい強害雑草になりつつあります。今回見つけたのは公園に作られたひまわり畑の中でしたが、右下の写真の青矢印の所まで背丈がありました。ざっと2mくらいあります。とっても生育が旺盛です。
 花はとっても鮮やかな黄色〜山吹色で綺麗に見えます。花びらの縁が波打ち、筋があります。また、雄しべがもしゃもしゃっとしているので、和菓子のようにも見え繊細っぽいですが、果実は・・・  最初は緑ですが熟すとトゲトゲ、ゴツゴツの怪獣の卵みたいになります。この棘は堅いので、結構痛いです。庭や畑で見かけて、要らないわぁ〜 という人は、できれば果実ができないうちに抜き取るか、種が落ちないように袋に入れて持ち出してしまいましょう。
イチビの果実(完熟)
(2005/08/14撮影)
イチビの草丈
(2005/08/14撮影)
No.21 ヘクソカズラ(2005/08/12掲載)
ヘクソカズラの花
(2005/07/06撮影)
ヘクソカズラの花(横)
(2005/07/06撮影)
 ヘクソカズラという名前は、葉や茎など全体にちょっと臭うから、ということなんですが、「へ」や「クソ」の臭いには思えないんだけど・・・  ちょっと可哀想な植物です。
 ネーミングとは違って、花は結構綺麗です。早いものは7月初めくらいから咲き始めて、8月に盛花期を迎えます。白い筒状の花で、中心部分が鮮紅色をしています。全体的にふさふさした表面になっていて、ベルベットの生地みたいに見えます(良く言い過ぎかな)。
 花が終わると、丸い果実ができます。大きさは5mm程度で、熟すと黄色になりますが、この実はつぶすと黄色い汁が出てきて、ちょっとイヤな感じがします。テントウムシの黄色いふんに似ています。
 ヘクソカズラは、多年草の蔓植物ですが、よく見かけるクズやヤブガラシなどと違って、あまりはびこらないようです。中断左の写真のように、密生箇所は一カ所にとどまることが多く、土台になる植物の上面を覆ってしまって、生育を悪くするような所まではしないみたいです。共存を選んだ蔓植物といったところでしょうか。
 葉はハート形に近く、ちょっと厚みがあります。また、対生で、その腋からそれぞれ花柄が伸びてきます。
ヘクソカズラの草姿
(2005/07/31撮影)
ヘクソカズラの幼果
(2005/07/31撮影)
ヘクソカズラ花柄の発生
(2005/07/31撮影)
ヘクソカズラの葉の付き方
(2005/07/31撮影)
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