里に咲く花の図鑑
雑草の花編(画像をクリックすると拡大します。)
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No.50 オランダミミナグサ(2006/06/25掲載)
オランダミミナグサの花
(2006/04/07撮影)
オランダミミナグサの生えてる様子
(2005/04/17撮影)
 オランダミミナグサはね、私の中では学校のトイレの裏なんかに生えていて、便所草の様なイメージを持っていました。
 それがですね、今年ちゃんと見てみたら、花は結構きれいなんですよ。時期はハコベの頃と同じ頃で、一緒に群落を作っていたりします。ハコベに比べると、少し葉の色が薄いです。
 花は真っ白な花弁で、5枚、花弁の先は少し割れています。この辺がハコベと近縁なのかもしれません。ハコベはこの割れが花びらの付け根近くまで来ていますが。
 花の付き方は葉の付け根に1つ咲いて、そこから2本の茎に分かれて、を繰り返し最後にドカンとたくさん咲くようです。意外ときれいでしょ。

 植物体全体に毛が多い植物です。茎にも白い毛が、葉裏にも白い毛が、蕾にも白い毛が・・・ でも、花の部分のには腺も混じっているようで、触るとちょっと粘つきます。これは特別多いですが、植物はちゃんと観察すると結構毛が生えているんですよ。以前植物観察をスケッチでしていたときにびっくりしました。今から思えば、1種ずつ採ってきてはスケッチして、を繰り返していた方がびっくりですがw

 咲き終わると植物全体が薄茶けてきます。花は次々に咲くので、花の時期が他の春の雑草に比べると短く、すぐに茶々けてきます。あ、これだ。私が今まで持っていたミミナグサのイメージは。右下のは果実が熟して先が開き、種が出たところですが、今までこれが花だと思っていました。だからいいイメージがなかったのか!?
オランダミミナグサの茎葉
(2005/04/17撮影)
オランダミミナグサの花の付き方
(2005/04/17撮影)
オランダミミナグサの花後
(2005/05/03撮影)
オランダミミナグサの果実
(2006/05/29撮影)
No.49 カラスノエンドウ(2006/06/13掲載)
カラスノエンドウの花
(2006/04/07撮影)
カラスノエンドウの花
(2005/04/17撮影)
 カラスノエンドウは結構どこにでも繁茂している、とってもポピュラーな春の雑草です。休耕田や畝畦、ちょっとした空き地なんかでもふさふさに茂っています。この草はオオイヌノフグリなど春を告げる種に比べるとスロースターターで、4月も中旬に入らないと目に付くことが少ないですが、いつの間にかに一面を覆っています。
 その原因は左下の写真にあるんです。これはね、草を引っこ抜いて下から撮ったのだけど、凄い枝分かれでしょ。これだけの茎が互いにツルで絡まりながら上へ上へと伸びていくので、他の雑草を覆ってしまって、いつの間にかにカラスノエンドウが繁茂している状態似るのだと思います。
 花はマメ科の特徴が良く出ていて、孔雀みたいな形をしています。エンドウと名の付くだけあって、野菜のエンドウ豆と大きさが半分程度(1cmくらい)になっている他はほとんど一緒です。花は葉腋に3つずつくらい付いて、結実するとホントにエンドウを小さくした莢ができます。この莢は食べられるそうですが、集めて食べるにしても小さいよね^^;;
 で、この莢が熟すと真っ黒になります。この辺がカラスノエンドウといわれる所以でしょうか。莢の色は部分的に黒くなってくるので、途中だけ見るとちょっと病気にかかって黒変しているようにも見えます。この莢はだんだん乾燥していって、乾燥しきると莢が半分に割れて種が出てきます。
 この莢は乾燥するとねじれるようになっていて、ねじれに莢の合わさっている部分が力負けするとパンと弾けて種が出るようになっています。写真のは無理矢理手で開いたのでそれほどねじれていませんが、凄いのになるとバネみたいになります。そのくらいになると、カラスノエンドウは自然と枯れていきます。自分の栄養分も全て種に注ぎ込むように・・・ 植物ってすごい。
カラスノエンドウの群落
(2005/04/17撮影)
カラスノエンドウの繁茂
(2005/04/17撮影)
カラスノエンドウの枝分かれ
(2005/05/03撮影)
カラスノエンドウの莢
(2006/05/29撮影)
No.48 ブタナ(2006/06/06掲載)

(2006/05/31撮影)

(2006/05/31撮影)
 最近は運動不足を解消するために、お昼休みに散歩をしながら花の写真を撮るようになりました。で、写真はたまってきたのですが、なかなかこれを書く用に調べるのが面倒くさかったのです。が、そろそろちゃんと更新しようと思います^^;

 ブタナは5月の連休明けくらいからぼちぼち咲いているのを見かけるようになって、5月下旬が一番良い時期ですかね。花だけを見るとタンポポにそっくりです。大きさも4cmくらいあるし、全部が舌状花であるところも。花茎も50cmくらいの高さになり、茎数もたくさん上がってくるので、タンポポの親玉のように見えます。
 でも、ブタナはタンポポ属ではなく、エゾコウゾリナ属です。タンポポ属にはいるためには、花茎がストロー状で、1つの花茎に1つの頭花しか付けないものをいうのです。ブタナの場合は花茎が途中で2,3本に分枝しますし、茎も中空ではないです。まあ、見た目、株の様子が違うので間違わないですけど。
 このブタナという命名はなぜ? 何故ブタ? と思っていました。調べてみると、ヨーロッパからの帰化植物で、フランスでは「ブタのサラダ」という呼び名だったのだそうだ。で、それを和訳して、こんな名前になったのだそうな〜。

(2006/05/31撮影)

(2006/05/31撮影)
No.47 セイヨウタンポポ(2006/05/20掲載)

(2006/04/13撮影)

(2006/04/13撮影)
 引越やら何やらで、アップするのが撮影から1ヶ月以上経ってしまいました。タンポポの時期も終わりに近づき、ほとんどが綿帽子になっています。
 さて、タンポポの2つめはセイヨウタンポポです。これまた、逃げの一手ですね。これは左下の写真で囲っているように、総包の一番外側の総包片がぐにゃっと反り返っています。ここだけです。在来種のタンポポは総包外片が総包から離れることはあっても、反対まで反り返ることはありませんから。
 と、思っていたのですが、外来種がもう一個、アカミタンポポというものもあるそうです。この種も総包外片が同じように反り返ります。これとの決定的な違いは、種が赤っぽい色かどうか、ということですが、種の写真はまだ撮っていないので・・・
 しかしですね、セイヨウタンポポはタンポポの中では一番花が大きくって、3〜4cmになります。在来種のカンサイタンポポもアカミタンポポも一つの花の小花の数がそれほど多くなく、花も2〜3cmなので、恐らく写真のはセイヨウタンポポだと思います。
 ちなみに、私知らなかったのですが、タンポポって多年草だったのです^^; そりゃそうだ、種がふわふわ飛散していくのに、あれだけ群落をつくるのだもの、本体は生き残って株別れするってことだわね。

(2006/04/013撮影)

(2006/04/13撮影)
No.46 シロバナタンポポ(2006/04/16掲載)

(2006/04/09撮影)

(2006/04/09撮影)
 タンポポはスミレと並んで私の食わず嫌いな種類です。みんな同じように見えるのに、種類がごっつうあるからです。でも、今年はタンポポを食っていこうかと思って、写真を撮り始めました。まあ、そういって最初がシロバナタンポポなあたりが逃げ腰感ありありなんですけどw
 タンポポは私の持ってる図鑑では20種類くらい載っていますが、これは見分けが一番簡単。なんせ、花が白かったら確実にシロバナタンポポですから。私の住んでる岡山県北ではちょこちょこ見かけるので、密度は高い方かもしれません。
 タンポポは小さな花の集まりでできています。花はめしべ、おしべ、花びら、ガクがセットになって1つの花を作っています。左上の写真を見ると、中心部では棒状のものがにゅーっと伸びていて、周りに行くと先が2つになってくるっと巻いているのがめしべです。このめしべは雄しべと一体型になっていて、根元部分が雄しべになっています。そして、白い花びらが1枚付いている。これで1つの花ですね。なので、タンポポの花は100くらいの花の集まりでできています。
 ガクはというと綿毛の部分がガクの変化した物と言うことになるようです。びっくりです。ガクの外を包む葉がある場合「包」と呼ばれます。ぱっと見ガクに見えるところは、たくさんの花を包むので、総包と呼ばれます。

(2006/04/09撮影)

(2006/04/09撮影)
No.45 ハコベ(2006/04/12掲載)

(2006/04/07撮影)

(2006/04/07撮影)
 とってもオーソドックスな春の雑草です。春の七草の1つでもあります。
 5mmくらいしかない小さく清楚な感じのする花で、群落を作ると緑と白のコントラストがきれいですね。まあ、これだけきれいな群落はそうそう見られないので、左上のなんかは会心の写真です^^ ただ、天気が良い日でないと花が開ききらないし、茂りすぎている群落では茎が絡まったり、葉の色が悪くなったりしています。
 ちなみに、花弁はたくさんあるように見えますが、1枚の花びらはV字形に深く切れ込んでいるので、実際は5枚です。
 一つの茎から咲く花の数は10〜20と結構多く、茎先がつぼみでいっぱいになります。咲き終わった花は花茎が伸びて垂れ下がって、順次熟していきます。下を向いているので、種が熟すとそのまま落下するようです。
 似た仲間にハコベ類とかノミノフスマなどがあります。見分け方としては、根元近くの葉には葉柄があること、ガクが花びらと同じくらいの長さがあること、茎に筋状に毛が生えていることでしょうか。
 茎に筋状に毛が生えているというのは結構変です。ホントに一本線になって生えている部分があります。マニアックになりたい人はぜひみてみてください。

(2006/03/25撮影)

(2006/03/25撮影)
No.44 ナズナ(2006/04/09掲載)

(2006/04/09撮影)

(2006/04/09撮影)
 ナズナは春の七草の1つですね。その時期は越冬のためにロゼット状なので、タンポポみたいなのがあったら、それがナズナです。
 このロゼットは花が咲いてもしっかり残っています。しかし、とう立ちした茎に付いている葉は鋸歯はあるものの、切れ込みにはなりません。この辺が種を同定するポイントになったりしますが、ナズナはそれほど似た種類がないので果実のペンペン部分があればほぼナズナです。
 花は1つ3mmほどの小さいもので、花茎の先端にまとまって付いていて、外側から順次咲きながら花茎を伸ばしていきます。花びらが落ちる頃には、三角形型の幼果ができてきています。
 ナズナはタネツケバナと並んで、春の田んぼを埋め尽くす事がある植物です。一面白い花が春の風になびいているのも、のどかでいいものです。今度写真を撮ることができたら画像をアップします。

(2006/04/09撮影)

(2006/04/09撮影)
No.43 ミチタネツケバナ(2006/03/25掲載)

(2006/03/25撮影)

(2006/03/25撮影)
 この植物は秋に種から発芽してロゼット状になり、そのまま冬を越して、早春にロゼットの中心から花茎が垂直に伸びて白い花を咲かせます。日だまりとか暖かいところでは1月終わり頃から開花が見られ、3月になるとほとんどの株が開花します。他の植物に先駆けて咲くので、早秋では目立ちます。
 花弁は白色で3〜4mmくらいですが、顎が1.5mm程度と短いので白が草の中でよく見えます。花弁は全開することがなく、半分しか開いてませんね。写真が撮りづらかった^^;
 花茎は花が咲きながら上に伸びていくようですが、8〜15cmくらいであまり大きくなりません。でも、それに比べて、葉はとっても小さいです。ロゼットの葉は小さい株では1枚の葉が2cm程度です。小さい・・・ ミニチュアプランツで掲載した右上の写真がこれでした。それからするとかなり大きな花茎が伸びてとても不釣り合いです。
 ちなみに葉は羽状複葉のように見えますが、小葉ではなく、小葉に見えるほど深く切れ込んだ鋸歯です。葉脈の付け根に離層が形成されない物は小葉とならないそうです。まあ、写真じゃそこまでは確認できませんが。
 果実は細長く、2cm程度。莢は茶紫色ですが、側面には緑色のラインが入っています。1つの莢には10〜15個程度の種子が入っています。
 とても似た種類にタネツケバナがありますが、こちらは開花時期が4月に入ってからということ、高さが10〜30cmになること、花茎の基部には短毛があることで区別できます。ミチタネツケバナは無毛ですから。また、おしべの数がミチタネツケバナが4本なのに、タネツケバナは6本あることでも区別できます。

(2006/03/25撮影)

(2006/03/25撮影)

(2006/03/25撮影)

(2006/03/25撮影)
No.42 イボクサ(2006/01/22掲載)

(2005/09/23撮影)

(2005/09/23撮影)
 田んぼの端っこで、雑草が草むらを作っているところで可憐に咲いているのを見つけました。花はよく見ると、薄く青紫がかっていてとても清楚な感じです。正面から見ると、顎と花弁、おしべ、仮おしべ(花粉がでないか、本来のおしべよりも花粉が少なく、退化しているものを言うそうです)がきれいに交互に重なっています。ちなみに、花の中心に近いところにあるほんの少し濃い紫の部分が仮おしべです。
 この植物は数少ないツユクサ科の植物で、茎が分枝しながら横に這い、先端だけ斜上するところなんかはツユクサそっくりです。ただ、花は茎の先に1つ付くだけのようで、右上の写真のように群落を見つけてもまばらにしか咲かないようです。

(2005/09/23撮影)

(2005/09/23撮影)
No.41 ハキダメギク(2006/01/10掲載)
ハキダメギクの花
(2005/11/10撮影)
ハキダメギクの生育状態
(2005/11/18撮影)
 この植物を同定するまでに長い道のりがかかりました。
 最初に花を見つけたときには・・・ (長くなったので、日記の方に書きました^^;)

 結局、冠毛(種に付いてる綿毛)が先細りになっているとハキダメギク、先まで太いままだとコゴメギクであるということでした。中段右の写真で、綿毛の先が尖っているでしょ? 種の写真を撮っていて良かった^^ まさか、この写真が決め手になるなんて思っていませんでした。

 ハキダメギクは田畑のアゼに生える雑草ですが、今のところこの写真の株しか見つけたことがないので、岡山県北では希な植物になるようです。
 キク科の植物で、中心の筒状花と周りの舌状花からなっています。舌状花は5枚(正確には5個)で、先が鶏のとさかのように、サザエさんの髪型のように、3つに切れ込んでいます。
 花が終わると何やらごちゃごちゃした感じ(中段左の写真)になります。一見、タンポポの綿毛が飛んだ後のように見えますが、そのごちゃごちゃが種そのものです。しかし、こんな短くて剛毛ちっくな綿毛でも種は飛んでいくものなのね。
 植物の特徴としては「毛」が多いことです。葉には白く少し長めの毛が全体に生えています。また、同じような毛が茎にも生えています。ただ、花の近くの毛は先に黒で、丸っこくなっています。左上の写真で花の根元をよく見ると見えます。この黒いのは少しねちゃねちゃします。食虫植物のモウセンゴケの極小型版です。
ハキダメギク花後
(2005/11/18撮影)
ハキダメギクの種
(2005/11/18撮影)
ハキダメギクの葉
(2005/11/10撮影)
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