里に咲く花の図鑑
雑草の花編(画像をクリックすると拡大します。)
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No.60 キキョウソウ(2007/07/30掲載)

(2007/06/01撮影)

(2007/06/01撮影)
 キキョウソウです。キキョウ科の植物で、花、特に色がキキョウと似ています。いいですねぇ、こういう花色って鮮やかで好きです。また、高さが30cmくらいとキキョウに比べて小さいことから「キキョウ、ソウ」です。

 名前にキキョウがつくので風流に思えますが、実は帰化植物です。北米原産で明治に入ってきたので、セイタカアワダチソウやヒメジョオンと同じですね。物の本によると、現在では関西以西に多い、とありますが、私が住んでいる岡山県では滅多に見ることはありません。見つけても2,3本小さいのがあるくらいです。写真は茨城県のつくば市に行ったときに見つけた群落です。一面キキョウソウでした。

 キキョウソウは茎が直立に立っていて、茎を巻くように葉っぱが着いています。その葉っぱの付け根ごとに花が咲きます。下段の写真は花後に果実が肥大した状態ですが、基本、1カ所に1つしか咲かないようです。種が熟すと果実の横の壁に穴が開いて、種が落ちていきます。種は見てないけれど、0.3cm位しかないらしい。コナコナです。そんな小さな物から植物体が生まれるのが不思議〜。

(2007/06/01撮影)

(2007/06/01撮影)
No.59 スズメノエンドウ(2007/07/08掲載)

(2007/04/25撮影)

(2007/04/25撮影)
 スズメノエンドウです。カラスノエンドウにそっくりですが、カラスに比べてスズメ、ということで、とってもミニチュアになっています。

 大きさは右下の写真を見てくだされ。わたくしの左手の人差し指の先っぽでございます。爪が短くってごめんなさい>< てのはおいといて、花はそんな大きさです。3mmくらいってところです。花は1つの花柄に3つ咲くようです。
 花が小さいので、実も小さいです。カラスノエンドウだと1cm強の花が咲いて、6cmくらいの莢になりますが、こちらは1cmちょいくらいにしかなりません。中に入る種も2個くらいのようです。


 葉っぱも小さいです。正確には左下の写真の葉は、それ自体が1枚の葉っぱで、葉の先がツルになっています。小さい葉っぱがたくさんに見えますが、1枚1枚が小葉といって、葉の切れ込みが深くなって、小さな葉っぱに見えるようになったもので、葉自体は全部で1枚の葉を作っています。

 そんな小さな植物ですが、葉の先のツルでお互いに絡み合って上に伸びるので、たくさん生えている所では、排他的な群落を作ることが多いようです。開花が4月下旬なので他に背の高い植物が少ないからでしょうね、小さいけれど、頑張っていますよ!

(2007/04/25撮影)

(2007/04/25撮影)

(2007/04/25撮影)

(2007/04/25撮影)
No.58 ノボロギク(2007/05/15掲載)

(20056/08/31撮影)

(20056/08/31撮影)
 このサイトはきれいな雑草を紹介しているんですけど・・・ どの辺をもってきれいというかが分かりません! とりあえず、「花弁がある花」ということで。

 ノボロギクの花はキク科の特徴である、集合花です。小さい花がたくさん集まって、1つの花を作っています。右上の写真では、1つの花を50ほどの小花が集まって形作っています。外側の1,2列は開花していますね。
 その辺は以前紹介したタカサブロウなどのキク科と一緒ですが、ノボロギクは舌状花が全くないので、華々しさがありません。寄り目にするくらい近くで見ないと咲いているのが分からないほどです。
 この小さい花は合弁花といって、もともとは何枚かの花びらだったものがくっついて、筒状になっています。合弁花の分かりやすいのは朝顔ですかね。ノボロギクの場合は元々の何枚かあった花びらの名残があって、先っぽが5つに分かれています。遠い昔は5枚の花びらだったってことですね。

 ノボロギクの開花期は春から秋がメインですが、他の花が少ない12月から4月くらいにかけてもひっそりと咲いています。

(20056/08/31撮影)

(20056/08/31撮影)
No.57 ニラ(2007/05/15掲載)

(20056/08/31撮影)

(20056/08/31撮影)
 ニラです。お店に売っている、野菜のニラです。が、これは雑草です。なぜって、道端に生えているから。生産を目的に畑で作られた物は野菜ですが、望まれないで生えてきたやつは野菜といえども雑草になります。といっても、植物体自体は一緒なので、花も野菜と一緒。あたりまえか。
 ニラは結構雑草化していて、意外と珍しくないです。ニラは夏になると茎の中心から花茎を伸ばして、先っぽで花火のように分かれて咲きます。花茎は夏の間バラバラと上がってきて、咲き続けます。この純白の花はまとまって咲くととてもきれいです。特に、畑で栽培された物だと、株の生育がいいので花茎もたくさん上がり、一面が真っ白になります。まあ、花を咲かせると言うことはそれだけ花に養分をとられて、野菜としての生産性は下がるので、ちゃんと管理をしている畑ではそういうことはないのだけれど^^;
 産地ではこの花茎を花が咲く前にとって、花ニラとして売っていたりします。葉ニラより味がマイルドで、肉ものと炒めたりするとおいしいです。
 花ニラは1つ1つの花が伸びる前のものを採ります。ばらけてしまったものは堅くなっちゃうので。道端のでも良いという人は食べてみてくださいまし。

(20056/08/31撮影)

(20056/08/31撮影)
No.56 コウゾリナ(2007/01/05掲載)

(2005/06/05撮影)

(2006/05/29撮影)
 春になるとタンポポに似たいろいろな花が咲き出します。春の野原や道ばた、畑の周りで雑草が茂りだし、いろいろな花が咲いているとき、一番目立つのが黄色で、しかも集まって咲くタンポポ似の花です。新緑に鮮やかな黄色の花は、「春がきたんだぁ」という気分にさせてくれて、ウオーキングやハイキングに行きたくなります。
 これらは全部キク科のタンポポ亜科の花たちです。タンポポ亜科の花は全て舌状花で、茎や葉を切ると白い液が出てきます。キク科は植物の科の中では一番種類が多いのですが、キク科にはタンポポ亜科とキク亜科しかないので、タンポポに似た植物はものすごい数があることになります。

 数あるタンポポ亜科の中で、このコウゾリナの見分けは簡単。写真を見ると、花の周りの部分(総包)にトゲトゲ、葉っぱの周りにトゲトゲ、茎もトゲトゲ、以上で同定終わり。
 この植物は、秋に種から芽を出してロゼット状態になり、春になると茎を伸ばします。はじめは1本の茎で伸びますが、先端から1/3で枝を出し、そこからさらに枝分かれしてたくさんの花を咲かせます(左中段)。右下の写真を見ると、花時にはロゼットの葉は枯れてしまうようです。植物によっては、花時にロゼット葉が残ってるかどうかで種が判別できるものもあるので、要観察部分です。

 ちなみに、コウゾリナのトゲトゲはちょっと痛いです。

(2005/06/05撮影)

(2006/05/29撮影)

(2006/05/29撮影)

(2006/05/29撮影)
No.52 コメツブツメクサ(2006/10/12掲載)

(2005/07/12撮影)

(2005/07/12撮影)
 いきなり、なんでタカサブロウやねんっと、突っこみたくなります。なんでこんな名前になったのか、およそ植物の名前ではないですよね。きっと大昔の高三郎さんか鷹三郎さんが何かやらかした時に使った植物なんでしょうね。
 タカサブロウさんは、写真のように田んぼの端っこや畑に生えているのをよく見かけますが、道ばたでは見たことがないです。あまりまとまって繁茂しませんし、背も高くならず、刈るのも簡単なので、農業で害になる雑草ではないようです。

 花は1cmくらいで7〜10月に白い花を咲かせます。目立ちませんが、アップで見るとまあまあ可憐な部類にはいるのじゃないでしょうか。で、これもキク科でして、たくさんの花が集まって1つの花のように見えているのです。花の中の丸いのが蕾で、開いているのが開花している花です。1つの花に1つの種ができるので、左下の写真の種の数だけ花が咲いていたことになります。
 種は不整形のように見えますが、きれいに並んでいます。アップで見るとちょっと気持ち悪いですけどね。

(2005/07/12撮影)

(2005/10/06撮影)
No.52 コメツブツメクサ(2006/08/31掲載)

(2005/07/12撮影)

(2005/07/12撮影)
 カタバミは植木鉢にも良く生えてくる雑草なので、みんながよく知っている雑草の1つではないでしょうか。写真はだいぶ前に撮っていたのですが、ようやく載せることとなりました。これで、オッタチカタバミとの比較ができるようになりました^^
 カタバミの特徴としては、やっぱり横に這うことですね。今、比べてみると、オッタチカタバミと葉っぱや果実の形は同じですが、花びらの横幅がだいぶ違いますね。
 花の付き方もオッタチカタバミに似ています。1つの花茎に5,6個くらいの花が付いていますが、咲く順番がはっきり分かるほど蕾の大きさに差がありますね。まとまった群落を作っていても、一斉には花が咲かないので、右上の写真のように、まばらに咲きます。1つ1つの花は鮮やかな黄色で綺麗なんですけどねぇ^^; 豪華さが全くありません。
 花が一斉に咲かないので、逆に花期が長く、5月頃から10月まで咲いているのを見かけます。ビニールハウスの中なら年中咲いています。
 私の中ではカタバミはまさに雑草! というイメージですが、それは果実が弾けて種を飛ばすので、すぐに広範囲に増殖すること。そして、カタバミの本体は土の中にあるのですが、茎や葉を引っ張って抜こうとしても、地上部だけちぎれて、後になってまた生えてくるからです。一度入るとなかなか採りきることができないですよ><
 果実が弾ける威力は結構あって、種は高さ1mくらいには飛び上がるようです。だから植木鉢にも侵入しやすいのです。根絶やしにしたいのなら、まだ根の張りきらない幼植物のうちにこまめに採っていきましょう。それでもかなり根気が要りますが^^;
 室内の植木鉢に生えているときは、種が壁にくっつくので、どのくらいまで飛んでいるのか分かりますよ〜。

(2005/07/12撮影)

(2005/10/06撮影)

(2005/10/21撮影)

(2005/10/06撮影)
No.52 コメツブツメクサ(2006/08/24掲載)
コモチナデシコの花
(2006/05/31撮影)
コモチナデシコの群落
(2006/05/31撮影)
 コモチナデシコはその名の通りナデシコの仲間なので、花がとてもきれいです。大きさは8mmくらいしかないので近くまで寄って見ないといけませんが、道路脇にびっしりと生えていることが多く、見応えがあります。しかしですね、今回そういう道路脇に駐車するようなところが無くって、まばらな群落しか採ることができませんでした><

 この花は一つの茎の先には3〜5個の花をつけるんですけど、包(ほう)に包まれているので同じ花がずっと咲き続けているように見えます。ちょうどツユクサと同じ感じです。多分、この辺のことから「コモチ」ナデシコという名前になったのじゃないかと思います。

 葉と茎はカーネーションにそっくりです。右下の写真だけ見たら、見間違えるくらい似ています。茎は株元で10数本に枝分かれして立ち上がります。なので、1株でも結構たくさんの花が咲くことになるので、もうちょっと花の大きい系統ができたら園芸用になるんじゃないかと思います。
4つくらいの花が入っています。
(2006/05/31撮影)
コモチナデシコの葉
(2006/05/31撮影)
No.52 コメツブツメクサ(2006/08/10掲載)
コメツブツメクサの花
(2006/05/29撮影)
コメツブツメクサの花
(2006/05/29撮影)
 コメツブツメクサはツメクサ(クローバー)の花を黄色くして1/3にした感じです。小さいですけどよく見るときれいな花です。花は葉の付け根から出てくるので、葉と混在することになってあまり花は目立たないです。小さいですしね。
 3cm接写のカメラでもこの大きさが限界なくらい小さく、1つの花が3mmくらいしかありません。1つの花塊は生育の善し悪しによって10〜20個の花が付きますが、花塊の直径は7mm程度です。
 一年草ですが、株元で多数枝分かれをしたものが、上に上に茎を伸ばすので、密度が高いと単一の群落を作ったりします。
コメツブツメクサの花の咲き方
(2006/05/29撮影)
コメツブツメクサの群落
(2006/05/29撮影)
No.51 オッタチカタバミ(2006/07/01掲載)
オッタチカタバミの花
(2006/05/06撮影)
オッタチカタバミの草姿
(2006/05/14撮影)
 この植物はカタバミとそっくりです。と、言ってもこのサイトではまだカタバミを紹介してないから、そっくりゆうてもしょうがないですね^^;;
 黄色の花で花びらが5枚のところや、葉っぱがハート型の小葉3枚で1セットになっているところ当たりが一緒なんです。全体的にオッタチカタバミの方が大きめのようです。
 オッタチカタバミはその名の通りオッ立ってますw カタバミは茎を真横に伸ばして地面を這いますから。その点、オッタチカタバミは左下の写真のように、株元から上に伸びます。まあ、見たらすぐに分かると思います。
 この植物には変わってるな〜、と思うところが2点あります。1つは花の付き方ですね。中段の写真のように、花茎が途中一カ所で枝分かれをします。この先の花には優先順位があるらしく、大体1花ずつ咲いていきます。その咲き方がね、変なの。蕾は垂れ下がっていて、開花している時には花茎からまっすぐ上に伸びて咲きます。で、咲き終わったら、次の花に場所を空けるためにクニョッと曲がって、果実だけ上を向けます。こういうのを連続写真で見たら面白いんだろうなと思います。
 もう一つは葉の付き方です。普通、植物は対生か互生して葉が付きますが、何て言うんですかね、この辺から出しとけ〜、という感じ(右下写真)にまとまって出てきます。
オッタチカタバミの花の咲き方
(2006/06/02撮影)
オッタチカタバミの花後の花茎
(2005/05/14撮影)
オッタチカタバミの草姿
(2005/07/26撮影)
オッタチカタバミの葉の付き方
(2005/07/26撮影)
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